〔イェルマリオ〕

〔イェルマリオ〕

“イェルムの輝き”


プラックスは陽の天蓋領で信仰されているもの)


 イェルマリオとは“イェルムの輝き”という意味である。またしばしば“イェルムの息子”としても知られている。これらはみな称号であり、神の真の名は入信した者にしか知られていない。彼は偉大な統治者イェルムの息子であり、黄金の時代にあった多くの太陽の一つの神だった。これらの太陽たちは神々の戦いの中で次々と墜ち、最後にはイェルマリオだけが残った。その彼さえも“残酷なる神”ゾラーク・ゾラーンに敗北し、火の力を盗まれたのである。


 しかし、イェルマリオは敵神が立ち去ると再び立ち上がった。それ以降、彼は民を安全を守ったのである。入信者たちは、イェルマリオが信者の祈りに助けられつついかに行動したのか、いかにその炎の力を取り戻し、太陽を再び灯すために天空へと送ったのかを学ぶ。“残酷なる神”は追い払われた。現在も、信者たちは太陽の軌道を保つための魔術を行いつづけている。


 800年代後半、EWFからやってきた傭兵たち(もともとはパヴィス市を守って遊牧民と戦うためにプラックスにやって来た)によって太陽領は創設された。ドラゴニュートとドラゴンたちがEWFを滅ぼしたとき、ほとんどの陽の天蓋寺院は廃墟と化したが、プラックスの太陽領は破滅を生き延びた。だが自由農民が奴隷化され、寺院での礼拝に祈祷師の習わしを用いるプラック遊牧民が聖職位を握っていた数世紀間に、この地の慣習と信仰は蝕まれていった。


 孤立の諸世紀の間、遊牧民支配の間にイェルマリオの儀式は滅びの危機に瀕した。だが前世紀になって、英雄モンロがドラゴン・パスより使徒を送って寺院に接触してきた。来訪者たちは伝統的な神教の信者たちを力づけ、遊牧民の祈祷師を追いだした。そうして古代のカルトは再びその全き栄光を再確立したのである。この二つの寺院の関係は今なお続いている。


加入条件:

太陽領の男性市民であること


能力:

〈射撃戦闘(弓術)〉〈遠くを視る〉、〈イェルマリオ神話


神力:


《戦闘》

《槍のブレース》《士気を晴れやかにする》《固定された盾》《歩調を揃えた行進》《高精度の槍》


《光》

《雲を払う》《暗黒を見通す》《光輝の盾》《暗黒を打つ》《輝ける太陽のコロナ


《穀物》

《穀物の生長促進》《害虫を追い払う》《胴枯れ病を滅ぼす》《霜に抵抗する》


奥義:

《敗北を生き延びる》(《光》の神力を使うのに成功した正々堂々たる戦闘中、信者が致命的な傷を受けた場合に、この奥義を用いて健康状態を「瀕死」から単なる「重傷」へ変えることができる。傷を癒すための通常の抵抗値か、戦士を「瀕死」に陥れた魔術能力のいずれか高い方に対してこの奥義で勝利を収めなければならない。成功すればいかなる魔術的・物質的な調査においても信者は死んでいるように見える。敵が立ち去れば、即座にこの擬死から目覚める。イェルマリオの英雄のなかには、この奥義を使って真の死から本当に立ち戻るものもいるという)


信者:

太陽領の全ての男子。独立した政治的・宗教的な階層がお互いに補強しあって、神との強力な同一性を作り出している。


異界:

イェルマリオの砦は太陽の領域のはずれにあり、侵略者から領域を守っている。砦から信者は嵐の時代か暗黒の時代に出ることができる。死後、信者は砦で神の軍団に加わり、光を護るための暗黒との永遠の戦いに備えながら、至福の中に憩うことになる。


つながり:

ペローリアには、ドラゴン・パスのモンロの寺院と伝統的につながりを持つ陽の天蓋寺院がいくつか存在する。それらの寺院はモンロが初めて神を呼び起こした場所であるヴァーンターが至上権を有することは認めているが、どの寺院も他の陽の天蓋寺院とは完全に独立した聖職階層を有している。


弱点:

カルトは他の太陽カルトと永久的なライバル関係にある。陽の天蓋の民はイェルムを炎の父として敬っているが、自分たちの神より劣った太陽神だと考えている。逆に、多くのイェルム信者はイェルマリオを卑しい分派、プラックスの陽の天蓋の民を辺境の文明沈滞地帯の無知迷妄な辺境人として排斥している。イェルマリオカルトは、寺院周辺地域の中以外ではどこでも少数派である。


その他:

入信者はカルトへ入信したとき1つ加護と1つ以上の制約を受けなくてはならない。帰依する際には、帰依者はその地位を得たときに、2つ目の加護と制約を受けなくてはならない。帰依者は毎年の聖祝期に他の加護と制約を求めてもよい。


イェルマリオの加護と制約

 イェルマリオは神のみが知る計画にもとづいて、信徒に加護と制約を与える。結果、神の気前の良さは完全に無作為によるもののように見える。信徒はしばしば神に同じ加護をもう一度与えられ、異なる制約を与えられることがある。ナレーターはもちろんプレイヤーヒーローに特定の加護と制約を割り当ててもよい。または、ストーリーをよりよいものにするために、プレイヤーに加護を選ぶことだけを許しても良い。


 もし加護にヒーローが既に持っている能力を得ると記してあったり、ヒーローが既に達しているレベルまで上昇するなどと書かれていたりした場合は、能力を+5上昇させること。


加護表


1d20 加護と必要な制約の数

1  「イェルマリオの慈悲」(入信者(*)の選んだ技能を+5);制約を1つ受ける。

2  「天界の眼」(〈遠くを視る〉の能力を+5);制約を1つ受ける。

3  「純粋な光の弓」(放たれた矢はすべて光を放って輝く。〈射撃戦闘(弓術)〉を+5);制約を2つ受ける。

4  「黄金の槍」(手に持った槍は光を放って輝く。〈近接戦闘(槍)〉を+5);制約を2つ受ける。

5  「太陽のジャベリン」(手に持ったジャベリンは光を放って輝く。〈射撃戦闘(ジャベリン)〉を+5);制約を2つ受ける。

6  「輝ける盾」(〈戦闘〉を+2);制約を1つ受ける。

7  「イェルムの光」(《光》の神力を+2);制約を1つ受ける。

8  「アーナールダの愛」(《穀物》の神力を+2);制約を1つ受ける。

9  「隠者の力」(半々の確率で〈力強い〉か〈耐久力〉の能力を17で獲得する);制約を1つ受ける。

10 「アリンソールの澄心」(《光》の神力に《混乱に抵抗する》の神技を獲得する);制約を1つ受ける。

11 「オロロスの癒しの光」(《光》の神力に《病の精霊を追い払う》の神技を獲得する);制約を1つ受ける。

12 「光の美」(〈魅惑的〉の能力を17で獲得する);制約を1つ受ける。

13 「モンロのランタン」(触れた黄金は即座に光輝く);制約を1つ受ける。

14 「トグトヴェイの羽根」(《光》の神力に《陽の天蓋寺院を発見する》の神技を獲得する);制約を1つ受ける。

15 「輝ける復讐者」(暗黒の敵と戦うときには《光》の神力に+3のエッジ(★ボーナスの間違い?)を得る);制約を1つ受ける。

16 「天界の鳥」(《光》の神力に《鳥との会話》の神技を獲得する);制約を1つ受ける。

17 「秘された炎」(《光》の神力に《炎に抵抗する》の神技を獲得する);制約を1つ受ける。

18 「イェルマリオの治癒の加護」(APが1以上であり、物理的な戦闘の中であれば、毎ラウンドAPが2回復する)(**);制約を1つ受ける。

19 「クシルの馬の加護」(独立した神技《馬との会話》を17で獲得する):制約を1つ受ける。

20 「ナロコリスの堕落への抵抗の加護」(《光》の神力に《遊牧民の魔術に抵抗する》の神技を獲得する);制約を1つ受ける。


(*) 1つの能力は一度しか上昇させることはできない。二度以上振ったときは、他の能力を選択しなければならない。

(**) もし二度以上振ったときは、回復するAPを2増やす。


制約表


1  金属製の鎧を着てはならない(*)。

2  火の日には禁欲しなくてはならない(**)。

3  鳥の肉を食べてはならない。

4  馬の肉を食べてはならない。

5  鳥以外の肉を食べてはならない。

6  あらゆる肉を食べてはならない。

7  嵐のなかで雨宿りをしてはならない。

8  真実しか話してはならない。

9  むやみに馬を苦しめてはならない。

10 むやみにアルドリアミを苦しめてはならない。

11 ナレーターの選んだタイプの武器(槍、ジャベリン、弓以外)を使ってはならない。

12 ゾラーク・ゾラーンの信者から逃げたり、降伏したりしてはならない。

13 暗黒の生物から逃げたり、降伏したりしてはならない。

14 いかなる場合でも、トロウルに話しかけたり、助けたりしてはならない。

15 いかなる場合でも、ドワーフに話しかけたり、助けたりしてはならない。

16 いかなる場合でも、オーランスの信者に話しかけたり、助けたりしてはならない。

17 いかなる場合でも、光の神の信者でないものに話しかけたり、助けたりしてはならない。

18 大地のカルトの信者以外を愛してはならない。

19 入浴してはならない。

20 さらに2回振る。


(*) 二回振った場合、「いかなる鎧も着てはならない」。

(**) 二回振った場合、「火の季に」に、三回目は「常に」。

(***) 二回振った場合、「ゾラーク・ゾラーンの信者」を「トロウル」に。